序章てきなサムシング
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「そいやさー」
ひらり、ひらり。
始業式をサボり、誰も居ない校舎の中庭の特等席、一番大きな桜の木の下で寝転びながらうとうととまどろんでいたときだった。
思い出したかのように、あくびまじりの声でブラックスターが突然こぼした。
「幼馴染み?っつーのかな。」
「幼馴染み?」
「そー、新入生でさ、入ってくんの。」
「は?ここに?」
「おう」
それはまた、突然思い出したものである。が、ただの幼馴染みごときでわざわざこいつが話題に出すだろうか。
ソウルは思案した。
答えは否である。仲が良いのだろうか、何だか想像出来ない。
「へぇ、珍しいなブラックスター。」
「あ?」
「わざわざ俺たちに伝えるということは、たいそう仲が良いのか?」
どうやらキッドも同じことを考えていたらしい。奇遇だな、との思いを込めてちらと視線をやると、ひょいと眉をあげてみせた。
ブラックスターは何やら唸っている。
「んー、あー……まあ、妹?というか……」
「妹……て、女!?」
「それは、また……」
驚いて身体を起こしたソウルは、今度こそ真正面からキッドと視線を合わせ、互いに目を白黒させた。
「お前と仲のいい女など、想像し難いな……」
「つうか、妹とまで言わせるなんてな。どんな奴だ」
「おいおい、オメーら俺様をなんだと思っていやがる。」
呆れたようにじっとりとこちらを睨み付けたブラックスターはしかし、にししと歯を見せていつものように笑うと、予備動作無しでひょいと起き上がってみせた。相変わらずとんだ身体能力を持った奴である。
「んー、まあ、そこらの女とはちげーってのは、確かだな!」
「ええ、」
「なんだか俺の脳内でブラックスターの女版しか出て来ない……」
ぎゃはは、なんて笑いあって、芝生の上を転げまわる。
遠くでチャイムが鳴って、始業式の終わりを告げていた。
小さな運命の分岐点まで、あとすこし。
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スク水
マカちゃん
を
書きたい
です
(殴)